現在施工中の第二別館はB1階の柱の頭に免震装置がある【柱頭免震】の建物となります!
躯体と免震下部プレートの接合部は密実に充填する必要があります。
充填計画の妥当性を確認する為に、”使用材料:高強度コンクリートの試験練り”&”充填方法:免震下部プレートの充填試験施工”を行いました。
①高強度コンクリートの試験練り~実機練り~
免震プレート下に充填する材料は、指定強度60N/mm2、スランプフロー65cmの高強度(高流動)コンクリートです。
このコンクリートを使用するにあたって、要求性能を満足しているかを確認するために生コン工場で試験練りを行いました。
通常の試験練りだと室内の小型ミキサを使用して練りますが(室内練り)、今回はそれに加えて実際に練るバッチングプラント(実機練り)で高強度コンを練りコンクリートの品質確認を行いました!
最初に生コンの出荷管理を行っている指令室を確認しました。
生コンの出荷は、出荷管理システムで機械化されていてオートメーション化が進んでいます。
配合設計の計量状況や練り混ぜ状況をモニターで確認しました。
また、車両管理システム(生コン車のルート確認や所在確認もできる)や生コン伝票の自動発行システムも確認しました。
実際のバッチングプラントで生コンを練り、生コン車に投入して試験体の完成です!
その後、時間経過(5分・30分・60分・90分・120分)毎にコンクリートの性状確認を行いました。
左下の写真がフロー試験状況です。赤で囲んだスランプコーンを引上げると右下の写真のように大きく広がります。
スランプフローの要求性能は65cm、この直径がスランプフロー65cmです!
②免震下部プレートの充填試験施工
免震装置は、アンカーボルトや頭付きスタッドを取付けた免震上下プレートと結合する事で取付を行います。
躯体と免震上下プレートの接合部は密実に充填する必要があります。
特に免震下部プレート下に空気を入れないように充填する事は大切な事です。
充填方法の妥当性を確認する為、B1階柱と同じ大きさのモックアップを作製して試験施工を行いました。
緑のテープで養生してある八角形のプレートが免震下部プレートです。
当社では免震下部プレートの充填は、空気を巻き込まないようにする為に2層に分けて打設を行います。
1層目の打設状況です。1層目は中心の打設口から半割れのカラーコーンを使用して打設しました。
YouTubeで動画もご覧いただけます。
免震下部 1層目打設状況
続いてオープンタイムを置いて2層目を打設しました。
オープンタイムを取るのは、1層目打設時に入り込んでしまった空気が浮き上がる時間を確保する為と2層目に打設する厚みを少なくする為です。
2層目は専用のホッパーを使用して打設しました。
充填時の空気の逃げ道の確保,密実な充填の確認の為、今回免震下部プレートには空気孔を8箇所設けました。
特に、普通のコンクリート打設と違う点は、バイブレーターを使わないことです。
免震下部プレート下に空気が残らないようにする為に当社ではバイブレーターを使わないことを推奨してます。
YouTubeで動画もご覧いただけます。
免震下部 2層目打設状況
プレートの天端までコンクリートを打ち終えたら、打設完了です。
~充填率の測定~
この現場では、AIを活用した測定方法とデジカメ写真による測定方法で充填率を算出しました。
今回は、AIを活用した測定方法に関して紹介します。
プレートをめくった部分の写真を撮り、画像をAIソフトで読み込むと、空隙の部分が青く着色されます。(打設口やボルト部分,φ5mm未満の気泡部分は空隙にあたらないので割合からは除きます)
全体の面積を8等分したエリア別充填率と全体充填率を算出しました。
結果は、、、全体充填率が99.1%。
目標を大幅に上回る高い充填率を確保できました!!!!
本番はプレートをめくることはできないので、中の充填率を確認することはできませんが、
今回の充填方法で行えば間違いなく密実な充填が行えます!