愛媛県庁第二別館新築工事

工事進捗状況

工事進捗状況 一覧

耐火被覆・アルミカーテンウォールの取付を行っています!

2025.05.21

躯体工事が上階に上がっていくにつれ、下階では内装工事が本格的に始まっています。
その内装工事の中で、耐火被覆工事とアルミカーテンウォール工事の2つについて説明します。

耐火被覆工事について

「耐火被覆」とは、鉄骨造の骨組みを熱から守るために、耐火性、断熱性の高い材料で鉄骨を被覆することです。火災による倒壊を防止する役目を果たします。建物の主要構造部分となる鉄骨に耐火被覆を施します。

耐火被覆の工法には、”吹付けロックウール工法” ”巻き付け工法” ”耐火塗料工法” ”成形板張り工法” などの種類があります。その種類について簡単に説明します。

吹付けロックウール工法(半乾式吹付け工法)

耐火被覆では主流となる工法です。水を混ぜて泥状にしたセメントとロックウールを同時に吹き付けるという工法です。
コストが安いだけでなく、施工時間も早いため、短時間で仕上げることができます。また、吹付けロックウール工法は、さまざまな材質や形状でも継ぎ目なく、必要な厚さが確保できます。

巻き付け工法

巻き付け工法とは、シート状になったロックウールを施工箇所に巻き付けて、専用ピンで固定する工法です。いくつかある工法の種類の中で、仕上がりが綺麗なこともメリットの一つです。
また吹き付け工法とは異なり、施工時に粉塵が少ないことから、作業現場を汚しません。

耐火塗料工法

耐火塗料を鉄骨に直接塗る工法です。火災時には、塗膜を数十倍に発泡させ、断熱層を形成し、断熱層によって熱から鉄骨を守ります。
色を塗ることもできることから、エントランスといった人目につきやすい場所の施工に適しています。

成形板張り工法

ケイ酸カルシウムを原材料とした耐火被覆板を使用する工法です。柱や梁の周りに耐火被覆板を貼り付けます。
吹付けロックウール工法や巻付け工法に比べて、表面が平らで硬いことが特徴です。そのため、そのまま仕上げ用としても使用できます。

この現場では、吹付けロックウール工法(半乾式吹付け工法)、耐火塗料工法、成形板張り工法を使用箇所で使い分けて施工します。
現在は、吹付けロックウール工法(半乾式吹付け工法)を施工しています。施工範囲をシート等で養生し、材料が周囲に飛散しないよう作業を進めています。

アルミカーテンウォールについて

カーテンウォールとは、その名の通り、カーテンのように空間を仕切る外壁です。カーテンウォールを用いることで建築物の重量の軽量化が可能になります。カーテンウォールは使用する素材によって、大きく次の2種類に分類されます。

  • メタルカーテンウォール/アルミカーテンウォール
  • PCカーテンウォール

この現場では、南面外壁は1階から11階までをデザインの異なる3タイプのアルミカーテンウォールで施工します。
現在1階~2階の施工を行っています。

鉄骨建方完了!!

2025.05.07

今年の1/24から始まった鉄骨建方(全6節、4,157ピース)が先月4/22に完了しました!!
約3ヶ月かけて行った鉄骨建方でしたが一日も遅れることなく完了する事が出来ました。鉄骨鳶さんお疲れさまでした。
今回は「トラス梁」についてご紹介いたします!

トラス梁とは

トラス構造を梁として用いたもので、上下に弦材、その間を斜材(または鉛直材)で接合して構成されます。
トラス梁には下記のような特徴があります。

  1. 変形しにくい:トラス構造は、部材が主に軸力(圧縮力または引張力)を受けるため、変形しにくい構造です。
  2. 広い空間に適している:トラス構造は、大空間を支えるのに適しており、橋梁や体育館などの屋根などに多く用いられます。
  3. コスト効率が良い:鋼材使用量を抑えつつ、高い剛性と強度を確保できるため、コスト効率が良いとされています。

トラス梁の地組

大組状態で運搬可能なトラス梁は2分割した状態で搬入し現場で地組結合し揚重しました。
運搬不可のトラス梁も現場で地組をし建方を行いました。
現場で地組したトラス梁は全長15,580mm、約6.5tもあり、上弦材ついては下弦材と平行ではなく、両端で240mmの勾配差があります!
現場では何度も精度確認を行いながら地組を行いました。

タワークレーン 最終フロアクライミング完了!!

2025.05.01

先日、タワークレーン1号機・2号機共にRG梁へのフロアクライミングが完了しました!
今回は「RG梁へのフロアクライミング」、「クレーン接触防止 ウォッチマン(wg-6f)」について紹介します!

RG梁へのクライミング ~1日目~

今回のRG梁へのクライミングは、前回の6階梁へのクライミングと違いベル受梁を設置する上階の梁がありません。
このような条件下でRG梁へクライミングを行う為に、台座受け仮設梁とベル受け仮設柱を製作し、ベル受梁を設置しました! 
1日目はこの台座受け仮設梁とベル受け仮設柱とベル受梁をRG梁上に設置し、ベル受梁への本体着床までを行いました。

RG梁へのクライミング ~2日目~

2日目はベル受梁に本体を着床させた状況で6階に設置していた台座を引き上げ、屋上の台座受け仮設梁に着床させます。その後本体をマスト上部へクライミングさせます。

RG梁へのクライミング ~3日目~

3日目は不要となったマストの解体です、不要となったマスト(6M✕5本分)を解体しながらマストダウンを行います!
次に自主検査をして、4日目の落成検査を迎えます。

クレーン接触防止 ウォッチマン(wg-6f)

今回、現場では2機のタワークレーンを使用しているため、旋回範囲が被る箇所でのクレーン同士の接触防止措置として
ウォッチマン(wg-6f)を1号機、2号機共に搭載しました。また、2号機の旋回範囲上には警察無線伝搬経路があり、誤って
経路に入らないように作業範囲規制装置としても使用しています。

ウォッチマン(wg-6f)の機能

先述の通り、接触防止・作業範囲規制の機能の他にも下記のような機能があります。

  • スピードファクターがモニターで確認可能。(クレーンの旋回速度に応じて前進させた位置に仮想ブームを表示)
  • フック部の、地上からの高さを表示。
  • 最大4本までのマイクロウェーブに対して規制が可能。

PCカーテンウォールの先行施工!

2025.04.16

先日、PCカーテンウォールの先行施工を行いました。
今回は「PCカーテンウォール」について紹介します!

PCカーテンウォールとは

まず、PCとは「precast concrete/プレキャストコンクリート」の略です。
工場などであらかじめコンクリートを固めて製造されたコンクリート部品の呼称です。
建物の構造に寄与しない内部と外部の空間をまさにカーテンのように仕切る壁は“カーテンウォール”と呼ばれており、「PCカーテンウォール」とはプレキャストコンクリート部材を用いたカーテンウォールを指します。
特徴としては、高所での危険作業が減らせて安全性が向上すると共に、工期短縮も図れます。また、工場生産のため品質が安定し、外壁に要求される各種性能の確保が容易です。

アーキテクチュラルコンクリートとは

アーキテクチュラルコンクリートとは、セメントに専用無機顔料で着色し、各種天然骨材を混ぜ込み、さらに各種の表面加工を施すことで、自然石に近い風合いを表現できる意匠性にすぐれたプレキャストコンクリートです。この現場では、表面加工に「研ぎ出し」という加工方法を一部採用しています。
「研ぎ出し」は、コンクリートの表面を研磨機で削ることで、骨材の断面を見せる手法です。

今回先行でPC施工した理由

今回外壁のPC工事が、本格的にスタートするのは、5月上旬からですが、なぜこのタイミングで先行で施工したかというと、渡り廊下の躯体施工をする為です。
PC版の取付箇所と渡り廊下躯体が上下で重なっている箇所のPC版を先行で施工しました。

先日、PCカーテンウォールについての勉強会も行いました。高橋カーテンウォールの方にお越しいただき、とても良い勉強会になりました。PCカーテンウォールについての講義内容に興味がある方はご覧ください。
外壁の本格的な施工は5月上旬からです、安全第一で施工を行っていきます。

スラブ配筋・コンクリート打設を行っています!

2025.04.01

鉄骨建方を上階で行っていくなか、下階ではスラブ配筋・コンクリート打設を行っています。
その際に工夫して工事を進めていることがありますので2点紹介します。

スラブ筋の先行荷揚げ

この現場では、鉄骨建方と同時にスラブ筋を先行荷揚げする計画とし実行しています。
鉄筋を先行荷揚げする範囲の小梁・デッキは後施工にして、鉄筋の荷揚げ後に小梁・デッキを架設しています。
鉄筋搬入後はすぐに水平ネットを復旧し落下防止措置を行い、安全な状態で小梁・デッキをかけていきます。
この搬入方法にすることで建物外部に鉄筋を取り込む為の荷取りステージ設置が不要になり、ステージから鉄筋を横持ちする労力も不要になります。
狭い敷地なのでステージを設置するスペースが不要となり、仮設計画的に非常に助かっています。
水平積み上げ方式の鉄骨建方では、計画さえしてしまえばさほど手間を掛けることなく行うことが出来ます。

スラブ筋をデッキ上に仮置きする際の注意事項として大梁・小梁にバタ角をかけて鉄筋の荷重を
デッキだけでなく梁でも支えるようにバタ角を配置しています。また鉄筋の置き方も1か所だけでなく分散
させて集中荷重にならないよう置いていきます。
デッキが鉄筋の重みにより変形してたわむことや、最悪の場合デッキが下の階に落ちる可能性もあるので重量物を置く際は注意しなければなりません。

コンクリート打設・圧送計画

鉄骨建方を止めることなく各フロアの床コン打設を行いたかったので、狭い西通路から生コン車を進入させ北西ヤードからポンプ車で打設する計画としました。
建物の平面形状は約60M✕20Mの長方形です。西側から打設を行うと約60Mの圧送配管が必要になります。配管で打設する場合の基本事項は”ポンプ車から遠い箇所から近い箇所へ打設する”です。理由は簡単あらかじめ3M✕20本の圧送配管を設置し、その配管を短くしながら(配管を切りながら)打設するからです。

配管で圧送する際注意すべきことは、コンクリートを圧送するとき配管は非常に大きい動きとなります。鉄筋の上にそのまま配管を置くとその配管の動きで鉄筋の結束が切れ配筋が乱れてしまいます。その対策として馬という物(下記写真参照)の上に配管を乗せ、配管が動いても配筋が乱れないようにしてコンクリート打設を行います。

さらに少し専門的な注意すべき事項を紹介します。

  1. 配管の種類(径,長さ,ベント,テーパー,フレキ)や高低差などの条件によって、ポンプ圧送時の負荷がことなるのでポンプ車の能力を確認する必要があります。
  2. コンクリート品質(スランプの低下・材料分離抵抗性)についても注意が必要です。
    ・配管圧送,気温上昇によりスランプが低下します。<土木学会示方書:水平換算距離が50~150m,テーパ管を使用し100A以下の配管を接続し圧送すると0.5~1㎝のスランプが低下する>
    ・材料分離抵抗性はコンクリートの粘性に由来し、配管内での閉塞(配管が詰まる)に大きく関わります。セメント量が多いほど粘性が増大し材料分離抵抗性は高まります。
  3. 屋上のシンダーコンクリートなどを圧送する際には、配管内で閉塞が起こることが考えられるので特に注意が必要です。理由は上記の条件が当てはまるからです。高い建物のシンダーコンでは縦配管+横配管となり水平換算距離が長くなり、比較的セメント量が少ないコンクリートを使用するからです。

タワークレーン フロアクライミング完了!!

2025.03.20

先日、タワークレーン1号機・2号機共にフロアクライミングが完了しました!
今回は「タワークレーンのフロアクライミング」について紹介します!

タワークレーン フロアクライミングとは

タワークレーンのフロアクライミング工法は、建物の梁を利用してタワークレーンを上昇させる工法です。
フロアクライミングの仕組みとしては、
 ①.クライミング設置階(6階)の上階にベル受梁を設置する。
 ②.ベル受梁にクレーン本体をリフトダウンして固定する。
 ③.台座とマストを引き上げてクライミング設置階(6階)に台座を固定する。
 ④.クレーン本体をマスト最上部までリフトアップする。

マストクライミングとフロアクライミングの違い

タワークレーンのクライミングの種類は2種類あり、「マストクライミング」と「フロアクライミング」があります。
「フロアクライミング」に関しては、先程紹介したクライミング工法です。
「マストクライミング」とは、クレーンの台座は最初に設置した地上の位置のまま動かず、クレーンを支えるマスト(支柱)を自ら上部に継ぎ足し、その伸びた部分をクレーン本体が登ってい行く工法です。

フロアクライミングのメリット

フロアクライミングを行うことで、次のようなメリットがあります。
・マストが貫通する部分の床開口が早い段階で施工できるので、ダメ工事が少なく、
 止水階を上層部に設けられるため、内装工程(仕上)に早期に入ることが出来る。
・ポストを支持する(壁つなぎ)部材がないので、外壁にダメ工事を残さず施工できる。
・超高層の場合は使用マスト数を少なくしたりしてコストダウンを図れる。

今回のクライミングは7階梁にベル受梁を設置し、台座を地下から6階にリフトアップする方法をとりました。
この現場は、鉄骨建方完了後(4月末)にもう一度RG梁にクライミングを行う計画としています。
さてどうやってクライミングするのでしょうか。
屋上へのクライミング方法については後日掲載します。ご期待ください。