愛媛県庁第二別館新築工事

工事進捗状況

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CLT耐震壁の取組み!

2024.11.06

~実大規模試験体水平載荷試験~

建物には、CLT(直交集成板)耐震壁が各階 南北面に合計106ヵ所配置されています。耐震壁の1箇所の大きさはW1500×H2500×t270です。ラミナ30mmの9層9プライで構成されて外装は桧,内装は杉です。
実大規模試験は、CLT耐震壁の最大耐力および水平剛性の把握を目的として、水平加力による面内せん断試験を行いました。目標値は最大荷重Qw:400kN以上、水平剛性Kw:20kN/mm±25%です。
試験は、3体の試験体を製作し日本大学理学部の大型構造物試験棟、水平加力試験装置(20000kN)油圧シャッキで行いました。

全ての試験体において目標値の「最大荷重Qw:400kN以上、水平剛性Kw:20kN/mm±25%(15~25kN/mm)」を満足する結果が得られました。
左下:試験結果。右下:試験体を取外して確認。

~CLT(直交集成板)製作状況(製品検査)~

この現場のCLT(直交集成板)耐震壁は愛媛県産材を使用し、県内の㈱サイプレス・スナダヤでマザーボードを製造し、県内の三王ハウジング㈱で加工しています。製作状況(製品検査)です。CLT耐震壁設置は鉄骨建方工事と同時に行う計画としています。

高強度コンクリートの試験練り&免震下部プレート充填試験施工を行いました!

2024.10.24

現在施工中の第二別館はB1階の柱の頭に免震装置がある【柱頭免震】の建物となります!
躯体と免震下部プレートの接合部は密実に充填する必要があります。
充填計画の妥当性を確認する為に、”使用材料:高強度コンクリートの試験練り”&”充填方法:免震下部プレートの充填試験施工”を行いました。

①高強度コンクリートの試験練り~実機練り~

免震プレート下に充填する材料は、指定強度60N/mm2、スランプフロー65cmの高強度(高流動)コンクリートです。
このコンクリートを使用するにあたって、要求性能を満足しているかを確認するために生コン工場で試験練りを行いました。
通常の試験練りだと室内の小型ミキサを使用して練りますが(室内練り)、今回はそれに加えて実際に練るバッチングプラント(実機練り)で高強度コンを練りコンクリートの品質確認を行いました!

最初に生コンの出荷管理を行っている指令室を確認しました。
生コンの出荷は、出荷管理システムで機械化されていてオートメーション化が進んでいます。
配合設計の計量状況や練り混ぜ状況をモニターで確認しました。
また、車両管理システム(生コン車のルート確認や所在確認もできる)や生コン伝票の自動発行システムも確認しました。
実際のバッチングプラントで生コンを練り、生コン車に投入して試験体の完成です!

その後、時間経過(5分・30分・60分・90分・120分)毎にコンクリートの性状確認を行いました。
左下の写真がフロー試験状況です。赤で囲んだスランプコーンを引上げると右下の写真のように大きく広がります。
スランプフローの要求性能は65cm、この直径がスランプフロー65cmです!

②免震下部プレートの充填試験施工

免震装置は、アンカーボルトや頭付きスタッドを取付けた免震上下プレートと結合する事で取付を行います。
躯体と免震上下プレートの接合部は密実に充填する必要があります。
特に免震下部プレート下に空気を入れないように充填する事は大切な事です。
充填方法の妥当性を確認する為、B1階柱と同じ大きさのモックアップを作製して試験施工を行いました。
緑のテープで養生してある八角形のプレートが免震下部プレートです。

当社では免震下部プレートの充填は、空気を巻き込まないようにする為に2層に分けて打設を行います。
1層目の打設状況です。1層目は中心の打設口から半割れのカラーコーンを使用して打設しました。

YouTubeで動画もご覧いただけます。

免震下部 1層目打設状況

続いてオープンタイムを置いて2層目を打設しました。
オープンタイムを取るのは、1層目打設時に入り込んでしまった空気が浮き上がる時間を確保する為と2層目に打設する厚みを少なくする為です。
2層目は専用のホッパーを使用して打設しました。
充填時の空気の逃げ道の確保,密実な充填の確認の為、今回免震下部プレートには空気孔を8箇所設けました。 
特に、普通のコンクリート打設と違う点は、バイブレーターを使わないことです。
免震下部プレート下に空気が残らないようにする為に当社ではバイブレーターを使わないことを推奨してます。

YouTubeで動画もご覧いただけます。

免震下部 2層目打設状況

プレートの天端までコンクリートを打ち終えたら、打設完了です。

~充填率の測定~

この現場では、AIを活用した測定方法とデジカメ写真による測定方法で充填率を算出しました。
今回は、AIを活用した測定方法に関して紹介します。
プレートをめくった部分の写真を撮り、画像をAIソフトで読み込むと、空隙の部分が青く着色されます。(打設口やボルト部分,φ5mm未満の気泡部分は空隙にあたらないので割合からは除きます)
全体の面積を8等分したエリア別充填率と全体充填率を算出しました。
結果は、、、全体充填率が99.1%。
目標を大幅に上回る高い充填率を確保できました!!!!

本番はプレートをめくることはできないので、中の充填率を確認することはできませんが、
今回の充填方法で行えば間違いなく密実な充填が行えます!

10/1 松山工業高校 建築科 2年生(38名)を対象に見学会を行いました

2024.10.02

今回の見学会は、工業高校建築科2年生がこれからの進路を考える為、学校の授業で勉強している内容を実際に見て感じる為、この時期に行う運びとなりました。
短い時間ではありましたが興味津津で地下工事中の工事現場を見学していました。
地中梁の主筋D35の鉄筋を抱えてみたりもしました。

最後にドローンで撮影した集合写真です。

実際の工事中の状況をみて建設業の魅力を感じ取り、将来の技術者を志す若者がこの中から1人でもたくさん出てくる事を切に願います。

免震建物!

2024.09.30

現在施工中の第二別館はB1階の柱の頭に免震装置がある、【柱頭免震】の建物となります!
今回は、この建物に使われる免震装置について紹介します!

~免震建物・免震装置とは~

免震とは、建物と地面を免震装置を介して切り離すことによって、地震力を建物に伝えにくくするものです。
今回の建物は、天然ゴム系積層ゴム支承と鉛プラグ挿入型積層ゴム支承の2タイプの免震装置を合計27箇所設置して建物を支えます。

天然ゴム系積層ゴム支承は、厚み5mmの天然ゴムと厚み4.4mmの内部鋼板を30層程度交互に重ねたものです。
天然ゴムは柔らかさによって地震動が伝わらないようにゆっくり揺れる効果があり、鋼板はその硬さによって建物の重さを支える効果がります。

鉛プラグ挿入型積層ゴム支承は、天然ゴム系積層ゴム支承の中心に直径200mmの純度99.99%の鉛プラグを挿入したものです。
鉛を挿入する事で減衰性能を備え持ち、建物の揺れを減らす役目を果たします。

これが免震装置を試験機に掛けている写真です。ゆれが起こった時このように黒のゴムの部分が変形します。

免震装置は11月下旬から取付け作業を行います。

耐圧版コンクリート打設完了!外周部埋戻し(1層目)完了!

2024.09.19

耐圧版コンクリート打設と外周部埋戻し(1層目)が完了しました。
耐圧版のコンクリート打設では、CELBIC(環境配慮型BFコンクリート)という特殊なコンクリート材料を使用しました。
外周部の埋戻し(1層目)では、流動化処理土という、埋戻し用の充填処理土を使用しました。
今回は『CELBIC』と『流動化処理土』について紹介します。

①CELBIC(環境配慮型BFコンクリート)

CELBICとは、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量を削減する環境配慮型コンクリートです。
同一強度におけるCO2排出量を53%削減することができました。
今回のCELBIC(環境配慮型BFコンクリート)は、普通ポルトランドセメントを61%高炉スラグ微粉末に置換えた配合計画を採用しました。

また、耐圧版コンクリートはマスコン対策部位でもありました。
温度解析により安全性を確認し、監理者・監督員と協議のうえ、中庸熱セメントを高炉スラグ微粉末に置換えたCELBICコンが採用されました。
下図は温度解析結果の一部です。緑色の部分が内部温度が上昇しひび割れ指数が高い部分となります。
下写真は、解析結果の信憑性を確認する為にコンクリート温度を現場測定した測定機器の写真です。
ほぼ解析通りの温度測定結果となりました。

②流動化処理土

流動化処理土とは、低強度で高い流動性がある埋戻し用の充填処理土です。
特徴は、以下の通りです。

  • 複雑な形状箇所、狭小空間への充填が可能です。
  • 打設後の転圧、締固工事が不要です。
  • 将来にわたり、圧密度沈下を起こしません。
  • 再掘削が可能です。

今回の埋戻しは掘削底GL-8mの狭小空間への埋戻しとなりました。
腹起し,切梁が架設されていてかつ地中梁・擁壁鉄筋が露出した近傍への埋戻しとなります。
いろんな埋戻し方法が考えられますが、品質・コスト・工程・安全を総合的に判断し流動化処理土での埋戻しを採用しました。
ポンプ車で圧送してコンクリート打設と同様の方法で埋戻し作業を行うことができます。

以上が、CELBIC(環境配慮型BFコンクリート)、流動化処理土の紹介になります。
2層目以降も外周部の埋戻しは流動化処理土を使用する計画としています。

ラフタークレーンにもカメラ設置!

2024.08.23

この現場は切梁間隔が約6.5mと狭い条件下で地下の躯体工事を行っています。
鉄筋などの資材を毎日基礎施工部にラフタークレーンで荷下ししています。

鉄筋などは長尺物もあるので、切梁に当たったり,親綱に絡まったりして吊り荷が落下してしまう危険性があります。
そこで現場に入っているラフタークレーンにカメラを設置しました!

クレーンの先端についている黄色いものがカメラです。
クレーン操縦者は、通常 玉掛け者の無線合図をもとにクレーンの操縦を行いますが、カメラを設置することで、操縦席モニターで吊り荷を見る事も出来ます。
玉掛け無線合図者とのやり取りに加え、モニターで確認を行いながら安全に資材を揚重する事が出来ます。

操縦席からはこのようにモニターの映像が見れます。
クレーン操縦者からはモニターが大きくクリアーに見えると好評です!
現場状況に合わせて安全に作業が出来るように先行管理を行い、安全作業で工事を進めています!

免震建物!

2024.09.30

現在施工中の第二別館はB1階の柱の頭に免震装置がある、【柱頭免震】の建物となります!今回は、この建物…