愛媛県庁第二別館新築工事

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スラブ配筋・コンクリート打設を行っています!

2025.04.01

鉄骨建方を上階で行っていくなか、下階ではスラブ配筋・コンクリート打設を行っています。
その際に工夫して工事を進めていることがありますので2点紹介します。

スラブ筋の先行荷揚げ

この現場では、鉄骨建方と同時にスラブ筋を先行荷揚げする計画とし実行しています。
鉄筋を先行荷揚げする範囲の小梁・デッキは後施工にして、鉄筋の荷揚げ後に小梁・デッキを架設しています。
鉄筋搬入後はすぐに水平ネットを復旧し落下防止措置を行い、安全な状態で小梁・デッキをかけていきます。
この搬入方法にすることで建物外部に鉄筋を取り込む為の荷取りステージ設置が不要になり、ステージから鉄筋を横持ちする労力も不要になります。
狭い敷地なのでステージを設置するスペースが不要となり、仮設計画的に非常に助かっています。
水平積み上げ方式の鉄骨建方では、計画さえしてしまえばさほど手間を掛けることなく行うことが出来ます。

スラブ筋をデッキ上に仮置きする際の注意事項として大梁・小梁にバタ角をかけて鉄筋の荷重を
デッキだけでなく梁でも支えるようにバタ角を配置しています。また鉄筋の置き方も1か所だけでなく分散
させて集中荷重にならないよう置いていきます。
デッキが鉄筋の重みにより変形してたわむことや、最悪の場合デッキが下の階に落ちる可能性もあるので重量物を置く際は注意しなければなりません。

コンクリート打設・圧送計画

鉄骨建方を止めることなく各フロアの床コン打設を行いたかったので、狭い西通路から生コン車を進入させ北西ヤードからポンプ車で打設する計画としました。
建物の平面形状は約60M✕20Mの長方形です。西側から打設を行うと約60Mの圧送配管が必要になります。配管で打設する場合の基本事項は”ポンプ車から遠い箇所から近い箇所へ打設する”です。理由は簡単あらかじめ3M✕20本の圧送配管を設置し、その配管を短くしながら(配管を切りながら)打設するからです。

配管で圧送する際注意すべきことは、コンクリートを圧送するとき配管は非常に大きい動きとなります。鉄筋の上にそのまま配管を置くとその配管の動きで鉄筋の結束が切れ配筋が乱れてしまいます。その対策として馬という物(下記写真参照)の上に配管を乗せ、配管が動いても配筋が乱れないようにしてコンクリート打設を行います。

さらに少し専門的な注意すべき事項を紹介します。

  1. 配管の種類(径,長さ,ベント,テーパー,フレキ)や高低差などの条件によって、ポンプ圧送時の負荷がことなるのでポンプ車の能力を確認する必要があります。
  2. コンクリート品質(スランプの低下・材料分離抵抗性)についても注意が必要です。
    ・配管圧送,気温上昇によりスランプが低下します。<土木学会示方書:水平換算距離が50~150m,テーパ管を使用し100A以下の配管を接続し圧送すると0.5~1㎝のスランプが低下する>
    ・材料分離抵抗性はコンクリートの粘性に由来し、配管内での閉塞(配管が詰まる)に大きく関わります。セメント量が多いほど粘性が増大し材料分離抵抗性は高まります。
  3. 屋上のシンダーコンクリートなどを圧送する際には、配管内で閉塞が起こることが考えられるので特に注意が必要です。理由は上記の条件が当てはまるからです。高い建物のシンダーコンでは縦配管+横配管となり水平換算距離が長くなり、比較的セメント量が少ないコンクリートを使用するからです。

タワークレーン フロアクライミング完了!!

2025.03.20

先日、タワークレーン1号機・2号機共にフロアクライミングが完了しました!
今回は「タワークレーンのフロアクライミング」について紹介します!

タワークレーン フロアクライミングとは

タワークレーンのフロアクライミング工法は、建物の梁を利用してタワークレーンを上昇させる工法です。
フロアクライミングの仕組みとしては、
 ①.クライミング設置階(6階)の上階にベル受梁を設置する。
 ②.ベル受梁にクレーン本体をリフトダウンして固定する。
 ③.台座とマストを引き上げてクライミング設置階(6階)に台座を固定する。
 ④.クレーン本体をマスト最上部までリフトアップする。

マストクライミングとフロアクライミングの違い

タワークレーンのクライミングの種類は2種類あり、「マストクライミング」と「フロアクライミング」があります。
「フロアクライミング」に関しては、先程紹介したクライミング工法です。
「マストクライミング」とは、クレーンの台座は最初に設置した地上の位置のまま動かず、クレーンを支えるマスト(支柱)を自ら上部に継ぎ足し、その伸びた部分をクレーン本体が登ってい行く工法です。

フロアクライミングのメリット

フロアクライミングを行うことで、次のようなメリットがあります。
・マストが貫通する部分の床開口が早い段階で施工できるので、ダメ工事が少なく、
 止水階を上層部に設けられるため、内装工程(仕上)に早期に入ることが出来る。
・ポストを支持する(壁つなぎ)部材がないので、外壁にダメ工事を残さず施工できる。
・超高層の場合は使用マスト数を少なくしたりしてコストダウンを図れる。

今回のクライミングは7階梁にベル受梁を設置し、台座を地下から6階にリフトアップする方法をとりました。
この現場は、鉄骨建方完了後(4月末)にもう一度RG梁にクライミングを行う計画としています。
さてどうやってクライミングするのでしょうか。
屋上へのクライミング方法については後日掲載します。ご期待ください。

CLT現地研修会が県庁第二別館作業所で開催されました!!

2025.03.20

3/17(月) 愛媛県・愛媛県CLT普及協議会主催でCLT現地研修会が県庁第二別館作業所で開催されました。
会議室で建物概要・CLT耐震壁の施工概要を紹介し、現場でCLT取付状況・地組ヤードの視察を行いました。
設計・施工・地方公共団体 関係者 80名近くの方が参加され、S造+CLT耐震壁ハイブリッド構造(混構造)
施工状況の視察を行いました。

鉄骨工事!順調に進んでいます!

2025.03.10

1/24から鉄骨建方を開始して約1.5ヵ月が経過しました。
鉄骨建方は現在3節(7階床高さマデ:建物半分)の建方がほぼ完了した状況となってます。
鉄骨製作は全てが完了して工場で最終節のトラス仮組検査も行いました。
今回は鉄骨工事のなかの柱コラム現場溶接,鋼製デッキ・頭付スタッド溶接作業について紹介します。

~鉄骨鳶さんの目線(3節建方時)~

実際に鉄骨建方を行っている鳶さんの目線です。高い所にもスイスイと登って作業を行ってます。
私には到底出来ません。

鉄骨建方状況(鳶目線)

~工場での最終節トラス仮組検査~

11階は大会議室があり中柱を設けない設計となってます。
その為、18Mスパンに梁を掛けないといけないので最終節は梁がトラス梁となります。
工場でトラス仮組検査を行い鉄骨製作が間違いないことの確認を行いました。
また、鉄骨製作が全て完了して工場のヤードで出番を待っている柱です。

~柱コラム現場溶接~

節ごとに建てられたコラム柱は現場で溶接する必要があります。柱の厚みにもよりますが半自動溶接機で何層(30パス以上)にも溶接を行います。
また、溶接後に第三者による外観検査・超音波探傷検査を全ての溶接個所で行います。

~鋼製デッキ・頭付スタッド作業~

この現場のスラブはフラットデッキ(型枠替わり)の上にスラブ配筋を行う一般的なものです。
フラットデッキは鉄骨建方時に荷揚げを行います。落下防止対策の為、クランプで固定してデッキを仮置きするルールとしてます。
頭付スタッドとは、スラブと鉄骨梁を接合する部材のことをいいます。15度の打撃曲げ試験を行いしっかり母材に溶接されているか確認を行います。
また、頭付スタッドは、シャコネクタ、スタッドジベルとも言われます。

CLT耐震壁の取付けをしています!

2025.02.21

1月下旬から鉄骨工事が始まり、鉄骨建方と同時にCLT耐震壁の取付けも行っています。
この建物は北側と南側の1~11階に計106ヵ所のCLT耐震壁を取付けていきます。

・CLT耐震壁とはなにか

CLTとは、厚さ30mm程度の板材(ラミナ)を直交するように積層接着した木質パネルのことです。
工場でマザーボードを製造して、その後CLT耐震壁に加工され現場に搬入されます。 
<積層されて接着・プレス・表面研磨したものをマザーボード(直交集成材)と呼びます>
CLT耐震壁とは、建物の耐震性を強化するために使用される耐震壁の一種になります。
S造(鉄骨)とCLTを組み合わせることで、建物全体の耐震性を向上させるものです。
このCLT耐震壁を組み合わせた工法は、「CLT+鉄骨ハイブリッド構造」と呼ばれます。
<S造部分とCLT耐震壁の接合部は、水平剛性、最大荷重を評価するための実験が必要となります>

・CLT耐震壁のメリット

①CLT材の強度

CLT材の強度は非常に高く、曲げ強度は鉄の15倍以上、コンクリートの400倍以上あり、引張り強度は鉄の4倍以上、コンクリートの225倍以上もあります。
地震時の水平力に対抗するために設けられる耐力壁にベストマッチした建築材料と言えます。

②木材の持つ天然素材の魅力

CLT耐震壁は建築物の内観・外観にも活かすことができ、木材の持つ天然素材の魅力を十二分にデザインに生かすことが出来ます。

③環境への負荷軽減,SDGsへの貢献

間伐材や伐採適齢期の杉材などの再生可能な木材を利用して作られることが一般的です。森林資源の効率的な活用や間伐材の有効活用により地球環境への負荷を軽減することができ、木材は二酸化炭素を吸収する性質も持っているため、CLT耐震壁の使用により二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。
SDGs(持続可能な開発目標)への貢献を企業が意識するようになってきました。建築業界も例外ではなく、CLT耐震壁の活用はSDGs貢献につながります。

「11 住み続けられるまちづくりを」:耐震・耐久性が高く災害に強い建築物
「12 つくる責任つかう責任」:解体後に他の建材に再利用できる
「13 気候変動に具体的な対策を」:地球環境への負荷を軽減する
「15 陸の豊かさも守ろう」:木材は大気中のCO2を固定し地球温暖化防止となる

・CLT耐震壁の施工方法

CLT耐震壁の施工方法は施工物件数が少なく取付方法が物件ごとに異なるため、確立された方法が今のところありません。
一般的には床コンクリート打設後に各フロアにCLT耐震壁を揚重して設置する方法を見ることが多くあります。
その場合、CLT耐震壁を建物内に取込む為のステージ設置やチェーンブロック等を使ってのCLT耐震壁の建て起こしが必要になり、手間と労力と時間が非常にかかってきます。
この現場では1~11階で106枚CLT耐震壁を取付ける為、それらの手間と労力と時間の改善策として鉄骨建方と同時にCLT耐震壁を取付ける計画を立案し、実施しています。
鉄骨工場で製作した地組架台を搬入設置し地組ヤードを作りました。
まず、地組ヤードでCLT耐震壁と鉄骨梁を精度よく接合します。接合された状態の梁をクレーンで吊り上げ、鉄骨梁を掛ける要領で鉄骨梁とCLT耐震壁を同時に取付けを行います。

もっと詳しくCLT建築物について知りたい方は(愛媛県CLT普及協議会:ガイドブック)下の資料をご覧ください。
https://ehimeclt.com/guidebook/

鉄骨建方を開始しました!

2025.02.14

1/24から地上鉄骨の建方を開始しました!
鉄骨は12階を2フロアーずつに分割し6節に分けました。1節毎の柱の長さは8.4m狭いヤードでも無理なく・ 安全に柱建起こし作業が出来ます。
4月後半まで鉄骨建方が続きます。1節毎を約10日ピッチで組立てていきます!

~柱の大きさと重さ~

柱は□750mmコラム,長さが8.4m,1本あたり約8.0tあります。
鉄骨全体で約2,800tあります!

~建方システムにつて~

➀建方キング

今回、建方時に建入れを確認する方法として「建方キング」を導入しました!
「建方キング」は、3次元システムと建方治具を利用して効率化する建方精度管理システムです。
視覚的に図と数値をリアルタイムで表示でき、計測者と建方工で画面共有することにより
タイムラグのない管理が可能になりました!

②建方エース

「建方エース」を使用することで柱単独で目違い・レベル・倒れ調整が可能になり歪み直しワイヤー等の消耗品を最小限にでき、品質の向上だけではなくコスト削減・安全作業にも繋がります。
また、柱建起こし作業の大幅な時間短縮が可能です!

以上の建方システムを用いて鉄骨建方を進めていきます!