愛媛県庁第二別館新築工事

工事進捗状況

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山留壁の挙動を見える化!”安全管理で掘削工事施工中

2024.06.17

現在、現場では掘削工事を行っています。
掘削中に山留の崩壊などが起きないように慎重に施工中です!
山留変位を精度高く、正確に計測する為、この現場では多段式傾斜計(自動計測)・挿入式傾斜計(手動計測)を使っています。
今回は計測方法や安全管理について紹介します!

①多段式傾斜計(自動計測)

予めSMW施工前に芯材H鋼に傾斜計を入れる為の角パイプを溶接し、SMW壁内に測定管を設置します。
SMW山留壁施工後に多段式傾斜計を挿入し設置します。

多段式傾斜計(自動計測)は北側の3箇所に設置しています。
北側は城山に近く、特に慎重に山留壁の挙動を管理する必要があるので、自動計測で10分ごとに24時間計測を行っています。
計測結果が即時にグラフ化され、PCやタブレットで見ることができます!

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②挿入式傾斜計(手動計測)

挿入式傾斜計(手動計測)は北側以外の7箇所で、工程のステップ毎に計測しています。
測定管の設置方法は自動計測と同じです。測定管に傾斜計を挿入し、1m毎で測定しデジタルひずみ測定器の数値をパソコンに入力すると変位がわかる仕組みとなっています。

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①・②で測定した結果は、このようなグラフになります。変位値から算出し、応力もグラフ化されます。
応力値はどの深さで山留壁に曲げ応力が集中しているか,どの深さで地盤が抵抗しているかを示しています。

③切梁軸力の集中管理(山留プレロード工法)

山留プレロードについては前回の投稿で説明してます。ぜひ見てみてください!
切梁には軸力計を5箇所設置しています。
構台上に設置した軸力計ゲージを点検し集中管理を行っています。

~多段式傾斜計(自動計測),挿入式傾斜計(手動計測),切梁軸力の集中管理~を用いる事で山留壁の挙動を見える化し、掘削工事を安全に管理しています。

下のグラフは、1段目水平切梁にプレロードを掛けた時の多段式傾斜計(自動計測)の計測結果です。
軸力を加えたことで、1mm程度ではあるが山留壁を外側に押し戻していることが分かります。

引き続き掘削工事、2段目の切梁架設も安全に施工を行っていきます。

『構台』,『水平切梁工法』,『山留プレロード工法』施工!

2024.06.04

この現場では、地下約8mまで掘削をする予定です。
構台を架けて、水平切梁<腹起し・切梁・火打梁>を組んで、プレロードを加えてSMW山留壁の変形を防止しながら掘削を行っていきます。

今回は『構台』,『水平切梁工法』,『山留プレロード工法』とは何かをご紹介します!

①『構台』

地下掘削・地下躯体工事を行うために、必要な重機や車両などが乗り入れできるようにしないといけません。
当現場は掘削範囲が作業ヤードの大半を占める為、構台を架設する計画としました。
構台は支持杭、大引、根太、覆工板、手摺で構成されています。

構台

②『水平切梁工法』

水平切梁工法は広く採用されている工法です。山留壁に作用する側圧を、腹起・切梁などの鋼製山留支保工で支持します。地盤や掘削深度に応じた山留計算を行います。
また、軟弱地盤や背面土圧により山留壁の変形量が大きく予想され、周辺地盤に影響がある場合には、プレロード工法を用いて山留壁変形量を抑止します。
この水平切梁工法は地盤条件や根切り深さ、敷地面積にあまり制限されない為、施工実績・信頼性の高い工法です。

③『山留プレロード工法』

『プレロード工法』とは、次段階の掘削によって発生することが見込まれる軸力を、あらかじめ切梁に導入する工法です。これにより、山留支保工全体の変形を防止し、山留支保工を安定させることができます。
プレロードジャッキ(写真④)を使用して、切梁を外側に押す力を加えていき、SMW山留壁が変形したり、周辺の地盤沈下を阻止することができます。
また、プレロードジャッキを高圧ホースでつなぎ切梁軸力を集中管理(点検)することで、安全に地下掘削を進めることが出来ます。

以上が今回行った『構台』,『水平切梁工法』,『山留プレロード工法』です。
これから2次掘削、2段目切梁架設、3次掘削を行い、地下約8mまで掘り進めます。 
地下掘削工事は7月頃まで行う予定です。

「構台・切梁架設状況」を屋上WEBカメラ,小型WEBカメラで撮影したものを同ホームページ<現場状況>で紹介しています。
「SMW山留壁」については、2024.1.31の進捗状況にて紹介しています。

粉塵対策実施中!

2024.05.17

当工事は搬出入車両が県庁敷地内を横断する動線計画(条件)となっている。
一般の方も使用する通路となるので、粉塵でご迷惑を掛けないように対策をおこないながら工事を進めています。その一部をご紹介します!

①ハイウォッシャー

車両が場内外を出入りする為、タイヤに土が付き、場外の道路を汚してしまうことが多くあります。
特に念入りにハイウォッシャーでタイヤを洗っています!

②鉄板上タイヤ洗い設備

ハイウォッシャーで一台一台洗っていますが、労力もかかる為、車両が通行しながらでも洗える設備を作りました!
鉄板上に配管を配置し、一部に穴を空け、そこから水が噴水のように出る仕組みです。

③スイーパー

スイーパーは、大型の掃除機の事です。この現場では、軽トラックサイズのスイーパーを1台使用して
道路清掃を行っています。ブラシが2つ付いていて、濡れた道路でも使用できます!

④散水車

散水車は、主に道路上の清掃や粉塵抑制に用いています。
この現場では、小型の軽トラ散水車を使用しています。
車体の前後から水が噴射されるだけでなく、荷台にハイウォッシャーも付属しています。

⑤荷台飛散シート養生

現在、土工事で掘削・土砂搬出を行っています。
多くの人が通行する中を何十台も大型トラックが通行しています。
掘削土搬出時に粉塵の飛散がないように、すべての車両の荷台にシート掛けて搬出を行っています。

以上が現在この現場で行っている粉塵対策です。
土工事は7月頃まで行う予定です。
引き続き、現場内外を綺麗に保てるように、粉塵対策を行っていきます!

山留工事が終わり、渡り廊下の既製杭を施工しました

2024.04.22

1月中旬より施工開始したSMW山留工事が終わり、渡り廊下の既製杭を施工しました。
山留工事に使用した大型重機を使用しスクリュー部を組替えて施工しました。
下杭と上杭の接続はプレートとボルトの締め付けによって固定します。
接続部分に溶接を使用しない工法のため、天候に左右されず工事が実施できます。

最近の既製杭施工はモニターでリアルタイムの情報を見る事が出来るようになっています。
管理記録はすべての杭に対して行い施工データの記録漏れがありません。

SMW山留壁造成を手助けする地中障害撤去機器!

2024.03.14

この現場では、地中障害の種類・条件に合わせて撤去機器を使い分けしました。

①BG工法掘削機

BG工法掘削機とは自走式掘削機で、高トルクのロータリーヘッドと押し込み力の大きな削孔装置を備えた油圧式万能型大口径掘削機です。強力なトルクと押し込み力をもった、マルチ型基礎工事用機械で、ケーシング回転による切削力が強く、ケリーバーの先端に各種アタッチメント(オーガードリル・ドリリングバケット・コアチューブ等)を用途に応じて組み合わせる事により、硬質地盤・岩盤削孔及び既存杭や地中障害物の撤去等が効率よくできます。所定深度までの既存障害物撤去完了後、ケーシング内を良質土で埋め戻し、ケーシングを引き抜きます。
この現場では、BG工法掘削機は残置が必要な構造物際の障害物撤去に使用しました。

BG工法掘削機
BG工法掘削機2
BG工法掘削機3

BG工法掘削機

②CD工法掘削機(全旋回オールケーシング工法)

CD工法掘削機(全旋回オールケーシング工法)は、据置式の全旋回掘削機によりケーシングチューブを強力な高トルクで回転、圧入しながら、ハンマーグラブでケーシングチューブ内の土砂や障害物を排土撤去する工法です。
ケーシング先端のカッティングエッジに超硬チップを取り付けたカッタービットを装着し、全旋回掘削機にて回転させながらケーシングを圧入して鉄筋コンクリート等の地中障害物を破砕・切削しながらハンマーグラブにより除去し、その後ケーシング掘削孔内を良質土等で埋め戻します。
この現場では、CD工法掘削機は多段に障害物があり地中障害物が深い場所で使用しました。

CD工法掘削機
CD工法掘削機2
CD工法掘削機3

CD工法掘削機

現場DX化推進中!

2024.02.27

この現場では、DXを積極的に推進しています。
いくつか紹介します!

①デジタル朝礼看板・週間予定看板の設置

朝礼看板には毎日の作業予定を説明する為に図を表示したりします。
今までは、現場の配置図をA1サイズの紙に印刷して額縁の中に入れて掲示したりしてました。
しかし、雨に濡れてシワになったたり、大きさに限りがある為人数が多い場合見えにくい等の問題点がありました。
そこでこの現場ではデジタル看板を使っています。画面の大きさは109インチ(W2300×H1500程度)です。
iPadのデザリング機能を使って拡大もでき、とても便利です。

週間予定看板は、近隣の方々へ工事の予定をお伝えする為に掲示しています。
今までは、テプラを印刷してマグネットシートでくっつけたりと、1個1個作成し、アナログな方法でした。
この現場は、デジタル看板でPCで簡単に変更でき、また週間予定以外にも完成イメージ図やPR画像など 自由に掲載が可能です。

②WEBカメラの導入

WEBカメラは、180度の広角レンズタイプを1台、手のひらサイズの小型カメラを3台導入しています。
導入しているWEBカメラはスマホ・PC・iPadでリアルタイムで確認することができます。

180度の広角レンズタイプは第一別館屋上に設置しており、施工エリア全景の撮影を行っています。

現場の敷地全景がPCやスマートフォンから見れます。
この映像はYouTubeにもUPしているのでぜひご覧ください!

手のひらサイズの小型カメラは作業の様子の動画撮影だけでなく、写真撮影機能・通話機能もあります。

これらのWEBカメラがあることで、現場に行かなくても現場状況をリアルタイムで確認・共有する事ができ、業務効率化に繋がっています。

③ドローンの活用

この現場では、ドローンの免許を持っている職員が毎月2回ドローンを飛ばし、上空から全景写真を撮影しています。

全景写真を撮影する際、通常では近くの建物から撮影を行ったりしますが、工事が進み、建物の高さが高くなってくると全景が映らないなどの問題点がありました。
しかし、ドローンを活用することで、工事が進んでも真上から撮影ができます。
また、ドローンで撮影した写真と図面を組み合わせることで、スケール感がつかみやすく、説明資料や作業時の打ち合わせなどで役立っています!

④BIMの活用

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称です。
コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を再現しており、施工時の検討等を行っています。
現在は①施工ステップBIM ②基礎配筋BIMの2種類を作成しています。
①②ともYouTubeにUPしているのでぜひご覧ください!  

①施工ステップBIM

②基礎配筋BIM